恒例野菜の苗販売 生徒が接客や運搬も体験 多古高

自ら育てた野菜と草花の苗の販売会で接客する多古高の生徒たち=15日、多古町多古
客から注文を受けると、担当の生徒が野菜の苗を運んでくれるシステムだ

 多古町の県立多古高校(円城寺一雄校長)で、生産流通科の生徒が授業で育てた野菜や草花の苗の販売会が行われている。種類が豊富な上に、1苗が50~100円と市場より低価格なこともあり、午前9時のオープン前から待ちわびて並ぶ人や、段ボール箱でまとめて購入する人もいる人気イベント。21日まで(19日は休み)。

 同科2年生の体験学習の一環として40年以上前から続く恒例行事で、接客や販売を通じて社会性などを育むのが狙い。学校の農園で作られた苗の安心性に加え、一般の専門店より3割程度安いため地域住民を中心に人気を集めている。

 取り扱う品種もナスやピーマン、トマトをはじめ、各3種類のキュウリ、カボチャなど野菜16品に、マリーゴールドとサルビアなど草花3品と豊富。期間中、生徒たちがそれぞれ役割を決め、客が購入した苗を駐車場まで運搬してくれるサービスも好評だ。

 トマトやナスなどの苗と花を購入した同町の越川美津枝さん(68)は「息子も孫も世話になった学校なので毎年来ている。安いし、買い物も快くできるのでいい」と笑顔で話した。

 藤崎広太君(16)は「地域の人と直接交流を深められる。野菜の種類を教えたりするので、こちらも勉強になる」。戸井胡斗音(ことね)さん(16)も「初めての接客。自分たちで作った苗を売ることができるのはうれしい」と話した。

 販売時間は午前9時~午後4時。ただし苗が無くなり次第、販売会は終了。問い合わせは同校、電話0479(76)2557。