全児童で思い出づくり 自作のコメ販売 来春閉校多古二小

学校で生産した多古米やヤマトイモを販売する多古二小の児童たち=多古町多古

 一生の思い出に-。本年度をもって閉校が決まっている多古町喜多井野の町立多古第二小学校(平山富子校長、児童50人)の児童たちが、閉校の記念品を製作するため、22日に開かれた町の秋恒例イベント「いきいきフェスタTAKO2015」に初めて出店した。「チーム多二小(たにしょう)みんなで作る一生の思い出」をコンセプトに企画し、授業で生産したコメなどの農産物を販売した。

 来年3月で約140年の歴史に幕を閉じる多古二小。同校によると、農産物の生産は1、2年生が生活科、3~6年生は総合学習の中で、苗植えなどから収穫までを体験するという。収穫物は例年、学校行事などで児童らに振る舞われるが、今年は4、5年生を中心に閉校の思い出となる記念の下敷き作りの計画が持ち上がり、それならば自分たちで生産した農産物を販売し、その売上金を資金に充てようとなったという。

 生産した農産物は4、5年生が多古米(コシヒカリ)、3年生はヤマトイモ、そして1、2年生と6年生がサツマイモで、児童たちは商品の袋のデザイン作りやパック詰めを行い、イベント当日は4、5年生を中心にブースで販売も行った。4年の菅沢真愛さん(10)は「最初は不安でドキドキしたが、大きな声で呼び掛けたら、お客さんが買ってくれた。まとめて買ってくれた人もいた」。

 ブースには児童全員の写真を貼り付けた看板を掲げ、声を張り上げながら集客に努めた。1年生ながら売り子を手伝った菅沢悠暉君(7)は「たくさん売れて良かった。サツマイモは傷が付かないように掘るのが大変だった」。3年の晴山えあさん(9)は「思い出の下敷きが作れるのはうれしい」と表情を緩めた。

 記念の下敷きには、児童の集合写真や学校生活のスナップ写真をプリントする予定。5年の椎名翼君(10)は「お米作りでは上級生として4年生を引っ張れたし、達成感もある。売っていた物も完売した。3月で閉校してしまうけど、みんなで一生の思い出ができたと思う」と振り返った。