台湾高生に“日本”紹介 さんが焼きで交流 館山総合高校

日本の高校生からアドバイスを受けながらアジをさばく台湾の高校生(左と左から2人目)=館山市の館山総合高校水産校舎

 台湾と日本の高校生が19日、館山市の県立館山総合高校でアジのさんが焼き作りを通して交流した。台湾の高校生は地域の伝統料理の作り方を教わりながら日本の文化に触れ、同世代の日本の若者との友情も深めた。

 台湾政府から選抜された高校生16人が日本で漁業や農業を実習する教育旅行の一環。今回が初めての試みという。

 一行は11日に来日。国内有数の漁業・農業生産地である本県を中心に教育旅行を行ってきた。鋸南町では定置網の水揚げや魚の養殖施設、銚子市では卸売市場や大型冷蔵庫を見学した。

 この日は、同校の実習船やヨットなどを間近に見る機会に加え、ウナギの養殖施設の説明も受けた。その後、調理加工実習室へ移動し、担当教諭からアジを3枚におろす手順の説明を受け、実際に調理に挑戦。日本の高校生からは包丁の入れ方やアジの水洗いの仕方などで助言を受けた。

 台湾で食品加工を学ぶ3年生の簡聖恩さん(18)は「包丁を斜めに入れており、魚のさばき方が違った。合理的なので台湾でも導入したい」、漁業を学ぶ3年生の黄宇賢さん(18)は「漁業の管理が行き届いていた」と、それぞれ新たな発見をした様子。

 同校海洋科3年の中山太朗さん(17)は「なかなか言葉は通じなかったが、好きなことで関わりを持てて良かった。台湾に戻ってさんが焼きを作ってくれたらうれしい」と話した。