忠敬ゆかりの地で地図作り 水平器、杖先方位盤使い 当時の測量技法で 横芝光・大総小

体育館の測量データを元に縮尺を計算し、分度器などを使って正確に紙に再現した=横芝光町立大総小学校
体育館の測量データを元に縮尺を計算し、分度器などを使って正確に紙に再現した=横芝光町立大総小学校
貞恒ゆかりの地には、今も子孫が暮らす=横芝光町の神保家前

 江戸時代の測量家、伊能忠敬ゆかりの地が学区内にある横芝光町立大総小学校で、4・5年の児童15人が忠敬時代の測量で地図作りを行った。

 同学区内に、忠敬の父、神保貞恒が生活した場所があることから、實川睦子校長は「地元から立派な人(忠敬)が出たので、その功績に親しんでほしい」と地図作りに挑戦した。香取市のNPO「小野川と佐原の町並みを考える会」のメンバーなどが指導した。

 測量体験は貞恒の生活拠点跡と学校を結ぶ区間で行う予定だったが、悪天候のため、体育館で実施。児童は3班に分かれ、忠敬が使った水平器や杖先方位盤などと同じ原理の道具を使い、角度と歩数などを測ってデータをとり、100分の1スケールで紙に再現した。

 初めての測量は基準点間の角度の測定などで難航したようで、どの班も多少の誤差が出た。児童は「正確な測定が難しかった」「(縮尺の)計算が大変だった」「昔は今と違って不便で手間がかかっていたことが分かった」と難航した作業を振り返った。

 貞恒の生活跡地には、現在も子孫が暮らしている。同校は例年、低学年児童の授業「街の探検」の一環で同跡地を訪れ、交流を深めている。子孫で主婦の神保和子さん(60)は、「忠敬は晩年になってから着々と自分の足で歩いて地図を残した。子どもたちも一歩ずつ夢を追って進んでほしい」と期待した。