栄町立栄東中学校

所在地
印旛郡栄町龍角寺1112-2
交通
JR成田線安食駅下車、千葉交通バス竜角寺台車庫行きバスにて15分。「房総のむら」バス停下車、徒歩5分。
ホームページ
http://www.catv296.ne.jp/~s-higashi-jhs/

閉校間近、思い出づくり

 栄町立栄東中学校は、住宅地開発による人口増加に伴って、昭和63年4月1日に教職員14人、生徒数145人で開校しました。一時は生徒数566人を数えましたが、その後減少し続け、現在は教職員数16人、生徒数130人となり、今年度末(平成27年3月31日)で27年の歴史に幕を閉じることが決まっています。

 栄東中には校則がありません。初代校長の伊藤睦先生は新しい学校をつくりあげる中で、「校則はいらない。無くても立派に生活ができる」として、これを学校の基本理念としました。

 「校則がない」学校として、生徒の行動指針「5つの約束(開校時4つの約束)」を基軸に、自主・自立に基づく自由な校風を築いてきました。「気持ちのよい挨拶をする、時間を守る、清掃をしっかりとする、ひとの話をよく聴く」に「自他の命を大切にする」を加えた5つの約束は、在校生はじめ2760名の卒業生が皆、大切にしてきました。
 本年度は集大成の年。「自立と貢献」を最大のテーマに掲げて、教育活動が進められています。

 修学旅行は奈良・京都方面で3日間のグループ活動を基本とし、自立的に活動できるように工夫されました。学ぶことが多く、大きな喜びと思い出がたくさんできた修学旅行になりました。

 2年生の宿泊学習は、生徒の意見を尊重して自然教室から首都東京学習へと大転換。オリンピック開催決定を受けて「おもてなし、ホスピタリティを学ぶ」をテーマにキャリア教育にも結びつく学びの場となりました。

 3年生は、本校最後の卒業生となります。その自覚を強く持って、学校生活を大切に送っています。1・2年生は、閉校後合併する新「栄中学校」へ通い、栄東中で学んだことを大切にして、新しい学校で勉学や部活動に励むことになります。

積極的にボランティア活動

 栄東中学校では、地域と連携した福祉教育活動を展開しています。柱の一つはクリーン活動。平成21年度に県から福祉教育推進校の指定を受けた実践を行って以来、地域の方々の協力を得て、学区の小学生とともに公園や通学路等のクリーン活動を継続しています。

 二つめの柱は、ボランティアクラブの活動。地域の福祉ボランティア団体、栄町社会福祉協議会の支援を得て、「できる人ができることを」と部活動に所属している生徒も任意で加入できるボランティアクラブを結成。地域や町の行事などに積極的に参加しています。

 任意で行うのがボランティアの基本。先輩や友人の姿を見て、一緒にやろうと思う気持ちが育っています。

 全国学力学習状況調査の生徒回答では、「地域の行事に参加したことがある」が60%、「地域の人から褒められたことがある」が80%を超えることからも地域の方々が生徒を支え、それに応える姿が見えてきます。

 昨年度末の保護者対象の学校評価では、「開かれた学校づくり」「いじめ問題への取り組み」「不祥事防止への取り組み」「子どもが学校に行くことが楽しいと言っている」に対していずれも90%を超える肯定的な評価がされました。保護者の理解と地域の方々の支えが栄東中学校の大きな財産です。

栄東中の伝統の灯大切に 生徒会長・厚海翔一

 僕たちの学校は校則がありません。一人ひとりが自分たちで考えて行動し、小学校からの気心が知れた仲間たちと楽しく充実した学校生活を送っています。またお互いを認め合う気持ちを多くの仲間が持っています。

 少人数の生徒のため、学校行事や部活動に一致団結して取り組んでいます。地域の方々と一緒のボランティア活動も活発で交流を深めています。

 今年度限りで閉校になってしまうのはとても寂しいですが、新しい統合中学校でも栄東中の伝統の灯はともし続けていきます。

校長の声

 藤井 大介校長 「できないことに挑戦してできるようにする。できることをあたりまえにする」。機会あるごとに生徒にこの話をします。前者には困難が伴いますが、後者の方にも困難が多いことに気づきます。後者を言い換えると「凡事徹底」。学校生活の中でこれが行き届くと、本校の「5つの約束」が生きてくると感じています。「母校がなくなる」。生徒・卒業生にとってこの事実は消せません。でも、学んだ事も決して消えないと確信しています。