松戸市立六実中学校

所在地
松戸市六高台5-166-1
交通
アーバンパークライン高柳駅下車、徒歩12分。アーバンパークライン六実駅下車、徒歩15分。
ホームページ
http://www2.matsudo.ed.jp/~mutumi-j/

34年目迎えた「父親の会」

 昭和47年度に開校し、現在、19学級、598人の生徒が学んでいる松戸市立六実中学校は松戸市の最北東部に位置し、鎌ヶ谷市と柏市に隣接、校門の前が学区外(柏市)という複雑に入り組んだ学区です。

 かつてはナシ畑が広がる農村地帯でしたが、近年の大規模な宅地開発で、マンションや分譲住宅などの建設が盛んに行われ、ベッドタウンとして大きく変貌しました。

 住民の意識や価値観は多様化していますが、居住者の多くはこの地域での永年居住を考えているためか、地域の学校教育に対する関心は高く、多くの保護者や保護者OBが積極的に学校と連携しています。

 父親の会の草分け的存在である「六実中健全育成父親の会」は昭和56年に結成され今年で34年目を迎えました。活動は極めて活発で、これら良き伝統は代々引き継がれ、六実中学校の教育活動に多大な貢献をしています。

 また、平成8年からは地域・家庭・学校の連携による「六実地区子育て井戸端会議」が発足し、地域ぐるみで子どもたちの健全育成活動が行われています。「感謝 感動 常に全力」が学校のスローガンで、校門を入ると目の前に垂れ幕の文字が飛び込んできます。体育館やグラウンドにも掲げられており、生徒たちはこのスローガンを常に意識して生活しています。挨拶がしっかりとできる生徒がたいへん多いと来校者がいつも感心します。

 3年生は昨年度、福島県に林間学園に行き、震災学習を通して命の尊さを学び、3年生を送る会でその内容を発表しました。今年の修学旅行は岩手県に行きます。被災地で被災者の方との交流を通じて思いやりのある人間への成長が目指されます。

行事に参加し、地域と連携

 地域連携の盛んな六実中学校は多くの地域行事に生徒が参加しています。4月に行われる「六実桜まつり」では、毎年、合唱部の生徒が歌声を披露して、オープニングセレモニーを盛り上げています。

 毎年7月には父親の会主催の「ふれあい体験学習」が実施されます。昨年度は生徒80人が参加しました。救急救命講習、シューターを滑り降りる避難訓練、消火訓練、災害講話などを通じて、防災および災害発生時における初期動作の習得を目指しました。

 ペットボトルロケットの製作と飛行会、カヤック体験も行われ、参加した生徒は父親の会会員が作ったカレーライスに舌鼓を打ちました。夜には天体観測と花火も楽しみました。

 生徒会の生徒が開会式の司会・進行を務めた10月の井戸端会議主催「六実っ子まつり」では、吹奏楽部の生徒が演奏を披露、そのほかの生徒も参加団体のイベントや出店の準備、活動、片づけに積極的に関わりました。

 テントの設営や焼きそば、かき氷などを提供するブースの手伝いに130人近い生徒が参加して熱心に手伝う姿が素晴らしいと参加団体の住民から賞賛されました。

自分自身の成長が大切 生徒会長・白澤 一真

 中学校は、何のためにあるのでしょうか。教科の勉強はもちろんですが、それ以上にもっと大切なことは自分自身を成長させることではないかと思います。

 僕は今生徒会長をやらせてもらっています。きっかけは、林間学園での出逢いでした。僕は津波と原発の被害を受けた中高生の話をいわき市で聞きました。同じ年齢の中学生がすべてを受け入れ、「自分たちが日本の将来を変えるんだ」「悲しんでばかりいたってしょうがない」と笑顔で力強く私たちに語ってくれました。

 彼らの本気に刺激を受け、思わず、お礼の言葉で「自分も生徒会長になって皆さんの思いを伝えます」という言葉が自然と出てきました。

 (新入生歓迎の言葉から)

校長の声

 井上四志郎校長 原稿を書いている今(5月13日)は週末に行われる体育祭の取り組みの最中です。その様子を見てきて、当日は大成功するだろうなということを確信しています。

 そう思う根拠の一番は3年生の動きです。六実中には良い伝統ができています。この活動を通して、六実中の3年生らしくなっていくのです。伝統の偉大さというものを感じています。

 「学年が上がるにつれて、人間的に成長すること」「上級生を見て下級生が成長していく」ことこそが学校の大事な伝統であるべきでしょう。