統合校5年後に開校へ 4小学・幼稚園再編で検討委 南房総・和田 丸山地区

 南房総市和田、丸山地区の学校再編をめぐる検討委員会は、4小学校と各校に併設された幼稚園を5年後に統合し、校舎は嶺南中学校(旧丸山中)の隣接地に新たに建設する方針を固めた。検討委の代表らが3月末、三幣貞男教育長に意見具申書を手渡した。

 対象は、丸山地区の南小学校(児童133人)、丸小学校(74人)、和田地区の南三原小学校(120人)、和田小学校(79人)=かっこ内はいずれも昨年5月現在=で、同市初の旧町村の枠を越えた統合となる。

 市教委は、丸小と和田小が2018年度以降、複式学級化せざるを得ない児童数になると予測。また、現在も一部で女子が0人か1人しかいない学年もあり、統合による教育環境の改善を主張していた。

 有識者やPTA、地元住民代表らで構成する検討委は、丸山中と和田中が統合された嶺南中が丸山地区に今月開校するため、幼・小学校の統合校の候補地を和田地区で探していた。しかし、同地区内五つの候補地には、それぞれ津波対策、高圧線による電磁波障害、地盤、汚臭などの課題があり、最終的に嶺南中隣接地に統合校を建設することで合意形成された。

 住民説明会では、「和田に小学校を持ってくる約束のはず」「津波のデータが市教委に都合がいい」「地域が廃れる一方」と、特に和田地区からの反対意見が目立った。これに対し、市教委は「検討委員が十分に議論した」と説明した。

 統合校の学区面積は旧和田町と旧丸山町を合わせた約75平方キロメートル、南北に約13キロに及ぶ。今後、市教委が用地買収や校舎建設を進め、5年後の統合・開校を目指す。