復興への祈り筆に込め きょう石巻でパフォーマンス 現地の高校生と交流も 袖ケ浦高校書道部

 千葉県立袖ケ浦高校(日高学校長)の書道部の生徒が29日、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市を訪れ、復興支援の書道パフォーマンスを披露する。震災後に県内各地でパフォーマンスと募金活動を展開してきた同校書道部だが、東北地方の被災地で行うのは今回が初めて。生徒たちは、復興への祈りを筆に込めようと、直前まで練習に励んだ。

 同校書道部は、今年の全国書き初め大会で文部科学大臣賞を受賞するなど、書道名門校として知られる。

 特大の和紙と筆を使って観客の前で書を披露する書道パフォーマンスにも力を入れており、震災直後は、木更津市や富津市の商業施設で行い、一緒に募金活動して支援金を寄付した。

 東北地方の被災地で活動したことはなかったが、昨年3月、東北でボランティアをする震災復興支援プロジェクト実行委員会の国吉晃甲さん(50)=千葉市中央区=が千葉市でパフォーマンスを依頼したことをきっかけに、今回の現地行きが実現した。

 開催場所は、津波で甚大な被害が出た石巻市の中央公民館。1、2年生のほか、本年度の卒業生を含めた部員全員の18人が参加する。

 「花のような笑顔を再びこの地に」「一歩一歩前に」など、1、2年生は自分たちで考えた文章を3メートル×5メートルの和紙に息を合わせて書き込み、卒業生は、さらに大きな3メートル×10メートルの「祈 復興」の書で思いを込める。

 石巻高校など現地の3高校の書道部も一緒にパフォーマンスを行い、同級生や住民らと交流を深める予定だ。

 生徒たちは、春休み返上で練習に打ち込み、前日の28日も学校に通って最終確認。被災地での活動とあって、これまでとは異なる緊張感もあるという。

 パフォーマンスを取り仕切る2年生の剱持愛梨さん(17)=木更津市=は「今までは『東北を思い出して』という気持ちだったが、今回は被災した人たち。現地の方に失礼にならないよう何を書こうか迷った」と打ち明ける。

 部長の2年生、鶴岡幸恵さん(17)=市原市=は「早く復興してほしいという思いが伝われば。わたしたちのパフォーマンスで少しでも前向きな気持ちになってくれたら」と、練習で墨だらけになった手で話していた。