教員志望の高校生養成 大学講師陣が授業 千葉女、安房高と千葉大が連携

 千葉大学教育学部と千葉女子、安房の県立2高校が27日、千葉市稲毛区の千葉大西千葉キャンパスで「連携教育に関する協定書」に調印した。両高校は新年度、教育者を目指す生徒を育成する「教員基礎コース」を設置。千葉大学教育学部は講師を派遣し、高校の授業をサポートする。

 教員基礎コース設置は、県教委が進める学校改革推進プランの「魅力ある県立学校づくりの推進」プログラムの一つ。教育に関心を持つ高校生に、基本的な教員の素養を身に付ける授業を行う。

 千葉女子高は4月入学の1年生から希望を募り、定員30人でスタート。1年の2学期、2年の1学期に千葉大から講師を招いた授業を行うほか、夏休みや休日に小学校の学習支援、特別支援学校でのボランティア活動などを実施する。

 安房高は2年生からの選択で、講師を招いた授業のほか、教職体験実習を行う。同校は昨年度から教師体験ボランティアを実施していて、千葉大学の講師、学生が体験を総括する「振り返りの会」に参加した。

 千葉女子高の田村幸子校長は「面接で教員になりたいという生徒が非常に増えた」と手応えを話し、安房高の川名和則校長は「小学校の教師体験は、生徒が適性を見つける素晴らしい機会になっている」と効果を紹介する。

 高橋浩之・教育学部長は「最近は初めから教員を志望していない学生が多くなっている。教員になりたいのかどうかを、よく考えてから受験してもらえるよう協力したい」と約束。県教委の影山美佐子・企画管理部長は「グローバル人材の育成を目指す中で、いかに優秀な教育者を確保するかが重要。地元の子が、地元の学校で活躍できる環境を整えたい」と話した。