2015年01月29日
保存会メンバーの指導を受けながら、凧作りに挑戦する児童=28日、長南町
長南町の町立長南小学校で28日、地元の伝統工芸品「長南袖凧(そでだこ)」を作る授業が行われた。初めて凧作りに挑戦する児童もいて「空高く舞い上がれ」と願いを込めながら、真剣な表彰で凧を組み立てていた。
授業には同校と豊栄小学校の5年生20人が参加。町内の4小学校では毎年、総合学習の一環で凧作りが行われており、地元有志17人でつくる「長南袖凧保存会」が協力している。
保存会によると、長南袖凧は約200年前の江戸時代後期に作られ始めたとされる。半纏(はんてん)の形をしており、男児の初節句には成長を願い、祝い用の大凧を飛ばす行事が現在でも続いているという。
児童たちは保存会メンバーの指導を受け、今年のえとの羊や特産品のハスの花などを描いた和紙を竹の骨組に取り付けて、立派な凧を完成させた。長南小の積田悠君(11)は「凧を作るのは初めて。早く飛ばしてみたいです」と笑顔。保存会の竹林定夫会長(79)は「若い世代は凧を作る人が少なくなっているので、今後も子どもたちに地域の伝統を伝えていきたい」と話している。
町内の東小と西小でも凧作り教室が開かれた。子どもたちが作った凧は、2月1日から町郷土資料館で始まる「長南袖凧展」に出品される(3月1日まで)。