「毎日小さな幸せを」 命の尊さ学ぶ集会 八千代・東高津中

「生命の樹」の前に集まった生徒たち=八千代市立東高津中

 八千代市立東高津中学校(高田義之校長、生徒278人)で、生徒の早世を機に始まった「生命(いのち)の日集会」が行われた。詩やノンフィクション映画などを題材に、生徒自ら命の尊さについて考えたことを発表した。

 東高津中は6月5日を「生命の日」と定め、全校集会を毎年開いている。1997年の同日、当時2年の男子生徒が部活の練習中に倒れ、意識不明のまま亡くなったのがきっかけ。“先輩”の死を踏まえ、「生命」について学び、理解を深める機会としている。

 集会では学年別に代表生徒が登壇し、命に関する詩や飛行機事故犠牲者の遺書、中学生で難病を発症した女性が主人公の映画、学校へ行けずにカカオ農園で働くアフリカの子供の映像などを紹介。「今ある環境を大事に。学校で友人と話して部活に出て、できないことができるようになって。毎日小さな幸せを探していこう」などと呼び掛けた。

 生徒会副会長の3年、水谷柊人君(14)は「毎年こういう機会があるのは良いこと。以前より命って大切だと思うようになった」と、同校独自の取り組みに意義を感じていた。

 校内には、亡き男子生徒の同級生が植えた桜の木がある。「生命の樹」と名付けられた木は毎年花を咲かせ、枝葉を伸ばしている。