2016年10月12日
JA東京中央会の水口氏が「江戸東京野菜」について説明=成田西陵高校
庶民の食生活を支えた「江戸東京野菜」を知ってもらおうと、成田市松崎の県立成田西陵高校(久門宏校長)で、江戸東京野菜の認定業務などを行うJA東京中央会の水口均氏が講演した。生産技術科3年の生徒が参加し、伝統野菜の歴史的背景などを学んだ。
江戸東京野菜は、江戸期から始まる東京の野菜文化を継承した在来種の野菜で、大根やキュウリ、ニンジンなど42種が認定されている。
講演で水口氏は「参勤交代により全国の大名がそれぞれの江戸屋敷で各藩が地元野菜を持ち込んだため、圧倒的に種類が多い」と説明。認定していない野菜も約50種あるという。
代表的な江戸野菜である「練馬ダイコン」は「米食が中心だった江戸期、五代将軍・徳川綱吉が江戸病(脚気や鳥目)を患い、治療のために栽培を命じたという説もある」と語るなど、それぞれの野菜にまつわるエピソードも披露した。
また、成田市や栄町など地元の北総地域は江戸時代に新田開発が行われ、江戸への物資の供給地として栄えたことを踏まえ「地域の伝統野菜を自分の目で見付け、関心を高めていくことが町おこしにつながる」などと述べ、地産地消の重要性を訴えた。
成田西陵高では、小松菜やニンジンなどの江戸野菜の栽培プロジェクトに取り組んでおり、市内や栄町の飲食店で食材として利用してもらう予定。