復興住宅に今年も新米 思いやりの活動継続 旭農高生自作し贈る

旭農高生から新米を受け取る入居者=21日、旭市萩園の復興住宅

 旭市の千葉県立旭農業高校(鈴木智校長、生徒454人)の生徒が、2011年の東日本大震災で被災し自宅の再建が困難な人たちが住む同市の災害公営住宅(復興住宅)を訪れ、同校で今月収穫した新米コシヒカリを入居者に贈った。震災5年の節目を迎えた今年も、被災者を思いやる地元農業高校らしいボランティア活動が続けられている。

 同校では仮設住宅があった12年から、毎年この時期に生徒が被災者宅を回って新米を配っている。

 今年のコメは同校生産技術科の生徒らが校内水田で育て、今月収穫した。同市立中央小学校の児童が田植えなどを体験した際のコメも含まれているという。

 この日は同校の生徒会「旭和会」の役員ら同校生徒6人が、引率とともに復興住宅を訪問。生徒らは一軒ずつ「本校でとれた新米です。食べてください」と声を掛けながら、1キロに小分けされたコシヒカリの米袋を入居者へ手渡した。

 受け取った浪川利子さん(72)は「仮設住宅の時から来てくれて心遣いがうれしい。今日にでも炊いて食べたい」と笑顔を見せた。

 同校3年の旭和会会長、浅野果示さん(18)は「昨年は神棚に飾ってくださった方もいたほどで、喜んでもらえることがうれしい」などと話した。

 集合住宅型3階建ての復興住宅は14年4月に入居が始まった。現在は1~89歳までの32世帯、48人が生活しているという。