真剣に候補者選び 児童、本番さながら一票 八街・交進小で模擬投票

模擬投票を行う子どもたち=7日、八街市八街

 子どもたちに政治に関心を持ってもらい将来の投票率向上につなげようと、小学生による模擬投票が7日、八街市八街の市立交進小学校で行われた。

 市選管によると、同市は東京のベッドタウンであることなどを背景に、県内でも投票率の低さが目立っている。子どもの頃から選挙の仕組みや投票の意義について理解を深めてもらおうと企画した。

 架空の「交進市」の市長を選ぶという設定で、6年生43人が有権者として参加。県弁護士会の弁護士3人がたすきを掛けた候補者となり、市内の空き地に整備すべき施設として、それぞれ「病院」「公園」「図書館」を訴えた。

 「病院は高齢者だけのものではない。子どもの病気を治したり、働く世代の健診ニーズにも応える」「公園はゆとりある暮らしだけでなく、災害時の避難所として『安心』にもつながる」-。候補者らの演説に児童らは真剣な表情で聞き入った。質疑応答でもさまざまな疑問点をぶつけ、よく考えながら候補を選んだ。

 投票では、実際の投票箱や記載台が用いられ、児童らは本番さながらに票を投じた。開票の結果、「日本有数の知的都市を目指す」として図書館整備を掲げた候補者が当選した。

 小竹匠君(11)は「18歳になったら選挙に行きたい」と関心を高めた様子。講評した田中大介弁護士は「選挙は自分たちのことを決める大切なこと」と訴え、将来の投票を呼び掛けた。